一 大雅の画 僕は日頃大雅(たいが)の画(ゑ)を欲しいと思つてゐる。しかしそれは大雅でさへあれば、金を惜まないと云ふのではない。まあせいぜい五十円位の大雅を一幅(ぷく)得たいのである。 大雅(たいが)は偉い画描(ゑか)きである。昔、高久靄崖(たかひさあいがい)は一文(いちもん)無しの窮境にあつても、一幅の大雅だけは手離さなかつた。ああ云ふ英霊漢(えいれいかん)の筆に成つた画(ゑ)は、何百円と雖