しなのえ
支那の画

冒頭文

松樹図 雲林(うんりん)を見たのは唯一つである。その一つは宣統帝(せんとうてい)の御物(ぎよぶつ)、今古奇観(きんこきくわん)と云ふ画帖(ぐわでふ)の中にあつた。画帖の中の画(ゑ)は大部分、薫其昌(とうきしやう)の旧蔵に係(かか)るものらしい。 雲林筆(うんりんひつ)と称(とな)へる物は、文華殿(ぶんくわでん)にも三四幅(ふく)あつた。しかしその画帖の中の、雄剄(ゆうけい)な松の図

文字遣い

新字旧仮名

初出

底本

  • 筑摩全集類聚 芥川龍之介全集第四巻
  • 筑摩書房
  • 1971(昭和46)年6月5日