じゅんすいなどうきならよい
純粋な動機なら好い

冒頭文

一、芸術批評を本気な仕事とせず、おっつけで、仕来りになったから「月評」と云うものの権威は薄くなったのではありませんか。 二、純粋な動機で批評すれば、或る月には、或る作品について多く書かれ、又、或る月は、沈黙であると云うことが、存在の可否などを論じさせない自然な、本当の状態であると思います。 一九二二年一月

文字遣い

新字新仮名

初出

「新潮」1922(大正11)年1月号

底本

  • 宮本百合子全集 第十七巻
  • 新日本出版社
  • 1981(昭和56)年3月20日