わたしのみたアメリカのしょうねん
私の見た米国の少年

冒頭文

去年の丁度秋頃の事でした、私は長い旅行に出掛ける準備で、よく紐育(ニューヨーク)市のペンシルバニアと云う停車場へ行き行きしました。其の停車場は、北米合衆国の首府である華盛頓(ワシントン)の方へ行く鉄道の起点なので、東京駅などよりはずうっと大きな建物の中は、何時行って見ても沢山の旅客で一杯に成っています。手にカバンを下げた人や袋を持った人々が、さもいそがしそうに、出入りする中に混って、大きな黒人の赤

文字遣い

新字新仮名

初出

「少年倶楽部」1920(大正9)年11月号

底本

  • 宮本百合子全集 第十七巻
  • 新日本出版社
  • 1981(昭和56)年3月20日