だいにこんにゃくぼん
第二菎蒻本

冒頭文

一 雪の夜路(よみち)の、人影もない真白(まっしろ)な中を、矢来の奥の男世帯へ出先から帰った目に、狭い二階の六畳敷、机の傍(わき)なる置炬燵(おきごたつ)に、肩まで入って待っていたのが、するりと起直った、逢いに来た婦(おんな)の一重々々(ひとえひとえ)、燃立つような長襦袢(ながじゅばん)ばかりだった姿は、思い懸けずもまた類(たぐい)なく美しいものであった。 膚(はだ)を蔽(おお)う

文字遣い

新字新仮名

初出

底本

  • 泉鏡花集成6
  • ちくま文庫、筑摩書房
  • 1996(平成8)年3月21日