せんきょにたいするふじんのきぼう
選挙に対する婦人の希望

冒頭文

私は少しばかり政治について所感を述べようと思います。私たち婦人は憲法の上でこそ男子と同等の権利を持った個人ですが、専ら男子に由って作られた法律の上では憲法と矛盾して、不合理にも、単に女性であるからという理由だけで私たちの生存に必要ないろいろの権利を制限されております。以前のように依頼主義と屈従主義とに甘んじていた婦人と異(ちが)い、個人としての自己の欲望の尊厳と、自己の能力の無限とを信ずる今日の婦

文字遣い

新字新仮名

初出

「大阪毎日新聞」1917(大正6)年2月27日~3月4日

底本

  • 与謝野晶子評論集
  • 岩波文庫、岩波書店
  • 1985(昭和60)年8月16日