ふじんかいぞうとこうとうきょういく
婦人改造と高等教育

冒頭文

婦人教育の推移 我国の婦人界は人の視聴を引く鮮かな現象に乏しいので毎年同じほどの平調な経過を取って行くように思われますけれど、七、八年前の婦人界を顧みて比較するとその変化の非常なのに驚かれます。例えば小松原英太郎(こまつばらえいたろう)氏が文部大臣であった頃と今日との教育主義の推移はどうでしょう。あの頃は世界の大勢に逆行し併(あわ)せて我我若い婦人の内部要求を無視した旧式な賢母良妻主義が

文字遣い

新字新仮名

初出

「大阪毎日新聞」1916(大正5)年1月1日

底本

  • 与謝野晶子評論集
  • 岩波文庫、岩波書店
  • 1985(昭和60)年8月16日