関門の連絡船を降りる頃から登志子は連れのまき子や安子がいそいそと歩いていく後から重い足どりでずっと後れて歩いていった。この前年の夏休みに叔母とまき子と三人でここに降りた時には登志子は何とはなしになつかしい家の門に車から降りた時のような気がした。もう九州だという感じがほんとになつかしみのあるうれしい感じだった。それが今はどうだろう? まるで自分の体を引きずるようにして行くのだ。もう五六時間の後にはあ