じょうしきかのひじょうしき
常識家の非常識

冒頭文

僕等の如き所謂詩人が、一般に欠乏してゐるものは「常識」である。この常識の欠乏から、僕等は常に小説家等に軽蔑される。それで僕等自身もまた、その欠点を自覚してゐることから、常に常識的なものに畏敬し、常識学の修養につとめて居る。 この意味から、僕は常に「文藝春秋」を愛読してゐる。文藝春秋といふ雑誌は、文壇稀れに見る「頭脳(あたま)の好い雑誌」であつて、編輯がキビキビとして居り、詰将棋の名手を見

文字遣い

新字旧仮名

初出

底本

  • 日本の名随筆 別巻76 常識
  • 作品社
  • 1997(平成9)年6月25日