にんしきろんとはなにか
認識論とは何か

冒頭文

第一章 認識について 認識という言葉は今日では、殆んど完全に日常語となっている。元来日本の哲学用語は、大部分欧米語からの直訳であり、そうでなければ支那語又は支那語訳のサンスクリットからの借用である。後者は歴史的に時間が経っているだけに日本語として、相当熟してはいるが、併しそれが日常語となっているものは、甚だしく滑稽な用途に制限されて了っているとも見られる。例えば往生とか成仏とかである。そ

文字遣い

新字新仮名

初出

「認識論」戸坂潤、山岸辰蔵、三笠書房、1937(昭和12)年10月

底本

  • 戸坂潤全集 第三巻
  • 勁草書房
  • 1966(昭和41)年10月10日