うたあんどん
歌行灯

冒頭文

一 宮重(みやしげ)大根のふとしく立てし宮柱は、ふろふきの熱田の神のみそなわす、七里のわたし浪(なみ)ゆたかにして、来往の渡船難なく桑名につきたる悦(よろこ)びのあまり…… と口誦(くちずさ)むように独言(ひとりごと)の、膝栗毛(ひざくりげ)五編の上の読初め、霜月十日あまりの初夜。中空(なかぞら)は冴切(さえき)って、星が水垢離(みずごり)取りそうな月明(つきあかり)に、踏切の桟橋

文字遣い

新字新仮名

初出

底本

  • 泉鏡花集成6
  • ちくま文庫、筑摩書房
  • 1996(平成8)年3月21日