くさめいきゅう
草迷宮

冒頭文

向うの小沢に蛇(じゃ)が立って、八幡(はちまん)長者の、おと娘、よくも立ったり、巧んだり。手には二本の珠(たま)を持ち、足には黄金(こがね)の靴を穿(は)き、ああよべ、こうよべと云いながら、山くれ野くれ行ったれば…………      一 三浦の大崩壊(おおくずれ)を、魔所だと云う。 葉山一帯の海岸を屏風(びょうぶ)で劃(くぎ)った、桜山の裾(すそ)が、見も馴(な)れぬ獣(けもの)のごとく、洋(わ

文字遣い

新字新仮名

初出

底本

  • 泉鏡花集成5
  • ちくま文庫、筑摩書房
  • 1996(平成8)年2月22日