とうせいじょそういっぱん
当世女装一斑

冒頭文

こゝに先づ一個の裸美人(らびじん)ありと仮定せよ、一代女に記したる、(年紀(とし)は十五より十八まで、当世顔は少し丸く、色は薄花桜(うすはなざくら)にして面道具(おもてだうぐ)の四つ不足なく揃ひて、目は細きを好まず、眉濃く、鼻の間せはしからず次第高(しだいだか)に、口小さく、歯並(はならび)あら〳〵として皓(しろ)く、耳長みあつて縁浅く、身を離れて根まで見透き、額はわざとならず自然の生えどまり、首

文字遣い

新字旧仮名

初出

底本

  • 日本の名随筆38 装
  • 作品社
  • 1985(昭和60)年12月25日