しろいしたじ
白い下地

冒頭文

色といえば、恋とか、色情とかいう方面に就いての題目ではあろうが、僕は大に埒外に走って一番これを色彩という側(がわ)に取ろう、そのかわり、一寸仇ッぽい。 色は兎角(とかく)白が土台になる。これに色々の色彩が施されるのだ。女の顔の色も白くなくッちゃ駄目だ。女の顔は浅黒いのが宜いというけれど、これとて直ちにそれが浅黒いと見えるのでは無く、白い下地が有って、始めて其の浅黒さを見せるのである。 色の

文字遣い

新字新仮名

初出

底本

  • 日本の名随筆7 色
  • 作品社
  • 1983(昭和58)年5月25日