ずしより
逗子より

冒頭文

拝啓、愚弟におんことづけの儀承り候。来月分新小説に、凡兆が、(涼しさや朝草門に荷ひ込む)趣の、やさしき御催しこれあり、小生にも一鎌仕(つかまつ)れとのおほせ、ゐなかずまひのわれらにはふさはしき御申しつけ、心得申して候。 まづ、何処をさして申上げ候べき。われら此の森の伏屋、小川の芦、海は申すまでも候はず、岩端、松蔭、朝顔、夕顔、蛍、六代御前の塚は凄く涼しく、玄武寺の竜胆は幽に涼しく、南瓜の

文字遣い

新字旧仮名

初出

底本

  • 日本随筆紀行第五巻 関東 風吹き騒ぐ平原で
  • 作品社
  • 1987(昭和62)年10月10日