ゆきたたき
雪たたき

冒頭文

上 鳥が其巣を焚(や)かれ、獣が其窟(あな)をくつがえされた時は何様(どう)なる。 悲しい声も能(よ)くは立てず、うつろな眼は意味無く動くまでで、鳥は篠(ささ)むらや草むらに首を突込み、ただ暁の天(そら)を切ない心に待焦るるであろう。獣は所謂(いわゆる)駭(おどろ)き心になって急に奔(はし)ったり、懼(おそ)れの目を張って疑いの足取り遅くのそのそと歩いたりしながら、何ぞの場合に

文字遣い

新字新仮名

初出

底本

  • 昭和文学全集 第4巻
  • 小学館
  • 1989(平成元)年4月1日