たいせつなふんいき 03 たいせつなふんいき
大切な雰囲気 03 大切な雰囲気

冒頭文

自画像 押入れから古い一束のはがきと手紙の包みが現われた。調べてみると昔、両親が私の美校入学の当時、東京から送ったところの私の手紙類をことごとく集めておいたものだった。 私はなにかおそろしいものの如くその一枚を読んでみた。するとその中には、「御送付下されし小包の包み紙は細かく切って鼻紙といたしました。それくらいの倹約をしています」とあり、あるいは「画架を買うのにやむを得ない道具のこ

文字遣い

新字新仮名

初出

底本

  • 小出楢重随筆集
  • 岩波文庫、岩波書店
  • 1987(昭和62)年8月17日