国境見物 何かフランスにおける面白い絵の話でも書こうかとも思ったのですが、実は西洋で、僕は生まれて初めて無数の絵を一時に見過ぎたために、今のところ世の中に絵が少し多過ぎやしまいかと思っているくらいで、まったく絵について何もいいたくないのです。またこの節は洋行する画家も多いし、帰朝者もまた多いことだし、たいていのことはいい尽されてもいるし、本ものの絵が近頃は日本で昼寝をしていても向こうから洋行して