でんきばと
電気鳩

冒頭文

あやしい鳩(はと) 高一(こういち)とミドリのきょうだいは、伝書鳩をかっていました。 もともとこれは、お父さまがかっていらっしゃる鳩なのですが、お父さまがある大切なご用で、とおいところへお出かけになってからは、二人のきょうだいが世話をしているのです。 鳩はみんなで十羽いました。半分は金あみをはり、半分は板をうちつけて作ってある鳩舎(きゅうしゃ)のなかに、かってあるのです。

文字遣い

新字新仮名

初出

「幼年倶楽部」大日本雄弁会講談社、1937(昭和12)年8月~1938(昭和13)年4月

底本

  • 海野十三全集 第4巻 十八時の音楽浴
  • 三一書房
  • 1989(平成元)年7月15日