わかきりょうゆうに
若き僚友に

冒頭文

三年前の五月、学生祭の日、この講堂は、甦った青春のエネルギーにみちあふれた数千の男女学生によって埋められました。 三年のちのこんにち、ふたたびここは、数千の男女学生によってみたされています。きょうここに参集した、われらの若き僚友たちは、この三年の間、自身の生活とたたかい、日本の学問の自立のために、日本の人民の理性の擁護のために思索し、行動して、少からぬ経験によって成長した人々です。

文字遣い

新字新仮名

初出

「学生評論」1951(昭和26)年3月号

底本

  • 宮本百合子全集 第十六巻
  • 新日本出版社
  • 1980(昭和55)年6月20日