しんけいかさねがふち
真景累ヶ淵

冒頭文

一 今日(こんにち)より怪談のお話を申上げまするが、怪談ばなしと申すは近来大きに廃(すた)りまして、余り寄席(せき)で致す者もございません、と申すものは、幽霊と云うものは無い、全く神経病だと云うことになりましたから、怪談は開化先生方はお嫌いなさる事でございます。それ故に久しく廃って居りましたが、今日になって見ると、却(かえ)って古めかしい方が、耳新しい様に思われます。これはもとより信じてお聞

文字遣い

新字新仮名

初出

底本

  • 圓朝全集 巻の一
  • 近代文芸資料複刻叢書、世界文庫
  • 1963(昭和38)年6月10日