せいねんのいきるみち
青年の生きる道

冒頭文

日本の人口は七千万といわれている。その中で青年はどれほどの数を占めているのであろうか。今日、日本に生きる私達は皆一かたならない困難を持っているし、一朝一夕に片づかない社会的課題を持っている。日本の民主化という窓は明日に向って明るく開かれているけれども、その国を横切りつつある私達の足もとには長い歴史が今日に齎している雑多な矛盾と障碍とがある。 青年の生活を思う時、私達の心には一口には言い現

文字遣い

新字新仮名

初出

「青年文化」1946(昭和21)年5月号

底本

  • 宮本百合子全集 第十六巻
  • 新日本出版社
  • 1980(昭和55)年6月20日