じゅもくとそのは 19 なまけものとあめ
樹木とその葉 19 なまけ者と雨

冒頭文

降るか照るか、私は曇日を最も嫌ふ。どんよりと曇つて居られると、頭は重く、手足はだるく眼すらはつきりとあけてゐられない樣な欝陶しさを感じがちだ。無論爲事は手につかず、さればと云つてなまけてゐるにも息苦しい。 それが靜かに四邊(あたり)を濡らして降り出して來た雨を見ると、漸く手足もそれ〴〵の場所に歸つた樣に身がしまつて來る。 机に向ふもいゝし、寢ころんで新聞を繰りひろげるもよい。何

文字遣い

旧字旧仮名

初出

底本

  • 若山牧水全集 第七卷
  • 雄鷄社
  • 1958(昭和33)年11月30日