すべての草木が冬枯れはてた後園の片隅に、水仙が五つ六つ花をつけてゐる。 そのあるものは、肥(ふと)り肉(じし)の球根がむつちりとした白い肌もあらはに、寒々と乾いた土の上に寝転んだまま、牙彫(げぼ)りの彫物のやうな円みと厚ぽつたさとをもつて、曲りなりに高々と花茎と葉とを持ち上げてゐる。 白みを帯びた緑の、女の指のやうにしなやかに躍つてゐる葉のむらがりと、爪さきで軽く弾(はじ)いたら、冴(さ)