だいうちゅうえんせいたい
大宇宙遠征隊

冒頭文

噴行艇(ふんこうてい)は征(ゆ)く 黒いインキをとかしたようなまっくらがりの宇宙を、今おびただしい噴行艇の群が、とんでいる。 「噴行艇だ!」 噴行艇といっても、なんのことか、わからない人もあるであろう。噴行艇は、ロケットとも呼ばれていた時代があった。飛行機は、空をとぶことができるが、空気のないところではとべない。しかし噴行艇は、空気のないところでも、よくとべるのだ。艇尾(ていび)

文字遣い

新字新仮名

初出

「国民五年生」1941(昭和16)年4月号~

底本

  • 海野十三全集 第9巻 怪鳥艇
  • 三一書房
  • 1988(昭和63)年10月30日