かやくせん
火薬船

冒頭文

怪貨物船あらわる! 北緯二十度、東経百十五度。 ——というと、そこはちょうど香港(ホンコン)を真南に三百五十キロばかりくだった海面であるが、警備中のわが駆逐艦(くちくかん)松風は、一せきのあやしい中国船が前方を南西へむかって横ぎっていくのを発見した。 「——貨物船。推定トン数五百トン、船尾に“平靖号(へいせいごう)”の三字をみとむ……」 と、見張兵は、望遠鏡片手に、大声

文字遣い

新字新仮名

初出

「大日本青年」(「浪立つ極東航路」のタイトルで。)

底本

  • 海野十三全集 第9巻 怪鳥艇
  • 三一書房
  • 1988(昭和63)年10月30日