どくほんどじょうりくさくせん ――きんはかせシリーズ・さん――
独本土上陸作戦 ――金博士シリーズ・3――

冒頭文

1 およそ新兵器の発明にかけては、今日世界に及ぶものなしと称せられる金博士(きんはかせ)が、とつぜん謎の失踪(しっそう)をとげた。 おどろいたのは、ここ上海(シャンハイ)市の地下二百メートルにある博士の実験室に日参していた世界各国の兵器スパイたちだった。 実験室は、きちんと取片づけられ、そして五分置きに、どこからともなくオルゴールが楽(がく)の音(ね)を響かせ、それについ

文字遣い

新字新仮名

初出

「新青年」1941(昭和16)年7月

底本

  • 海野十三全集 第10巻 宇宙戦隊
  • 三一書房
  • 1991(平成3)年5月31日