こどものかなしみ
少年の悲哀

冒頭文

少年(こども)の歓喜(よろこび)が詩であるならば、少年(こども)の悲哀(かなしみ)もまた詩である。自然の心に宿る歓喜(よろこび)にしてもし歌うべくんば、自然の心にささやく悲哀(かなしみ)もまた歌うべきであろう。 ともかく、僕は僕の少年(こども)の時の悲哀(かなしみ)の一ツを語ってみようと思うのである。(と一人の男が話しだした。)       ⁂ 僕は八つの時から十五の時まで叔

文字遣い

新字新仮名

初出

底本

  • 号外・少年の悲哀 他六篇
  • 岩波文庫、岩波書店
  • 1939(昭和14)年4月17日、1960(昭和35)年1月25日第14刷改版