にほんのしょうぞうがとかまくらじだい |
日本の肖像画と鎌倉時代 |
冒頭文
我國の繪畫が主として支那に起原せる事は勿論にして、支那の繪畫が時代によりて變遷ある毎に我國にも影響せし事は疑なし。其中に於て、肖像畫も殆んど現存の繪畫の開闢期より既に存在せしが、その肖像畫が日本に於て最も發達し、獨得の技倆を發揮せしは果して何時代の頃なりや、これに就ては、史學者、美術史家等の間に既に議論せられし事なるが、こゝに一己の私見を述べんとす。 其前に少しく日本の肖像畫の變遷の概略
文字遣い
旧字旧仮名
初出
史学地理学同攻会講演、1920(大正9)年12月
底本
- 内藤湖南全集 第九巻
- 筑摩書房
- 1969(昭和44)年4月10日