がくへんおくせつ
学変臆説

冒頭文

天運は循環するか、意ふに其の循る所の環は、完全なる圓環にあらずして、寧ろ無窮なる螺旋形を爲す者たらんか、何となれば一個の中心點より開展して三のダイメンシヨンある空間を填充すべき一條線は、須らく無限に支派して螺形に纏繞する所の者たらざるべからざれば也。地球は三百六十五日五時餘を以て太陽を一周す、已に一周し畢れば、必ずや再び故路を行かざるべからず、但だ太陽は其の行星に對せる位置こそ定住不變には見ゆれ、

文字遣い

旧字旧仮名

初出

「反省雜誌」1897(明治30)年3月1日、第十二年第二号

底本

  • 内藤湖南全集 第一巻
  • 筑摩書房
  • 1970(昭和45)年9月15日