ひらつかさんとわたしのろんそう
平塚さんと私の論争

冒頭文

私は女子の生活が精神的にも経済的にも独立することの理想に対して、若い婦人の中の識者から反対説が出ようとは想像しませんでした。それは、この理想の実現が人生に真の幸福を築き初める第一の基礎であることが余りに明白なことだからです。しかるに平塚雷鳥(ひらつからいちょう)さんが最近に私の主張する女子の経済的独立に抗議を寄せられたのは非常に意外の感に打たれました。 平塚さんは、私が『婦人公論』誌上に

文字遣い

新字新仮名

初出

「太陽」1916(大正5)年6月

底本

  • 与謝野晶子評論集
  • 岩波書店 岩波文庫
  • 1985(昭和60)年8月16日