しょうせつぶんたい
小説文体

冒頭文

僕は雅俗折衷も言文一致も、兩方やツて見るつもりだが、今まで經驗した所では、言文一致で書いたものは、少し離れて見て全躰の景色がぼうツと浮ぶ、文章だと近く眼の傍へすりつけて見て、景色がぢかに眼にうつる、言文一致でごた〳〵と細かく書いたものは、近くで見ては面白くないが、少し離れて全躰の上から見ると、其の場の景色が浮んで來る、油繪のやうなものであらうか、文章で書くとそれが近くで見てよく、全躰といふよりも、

文字遣い

旧字旧仮名

初出

底本

  • 鏡花全集 第二十八巻
  • 岩波書店
  • 1942(昭和17)年11月30日