さんじゅうごし
三十五氏

冒頭文

直木さん、いつまでも、三十一、三十二、三十三、三十四とするのときいたら、うんといつた。でも、三十五氏はまだいいが、三十六(みそろく)、三十七(しち)、三十八(はち)、それから三十九(く)はをかしい。みそくふなんて味噌ばかりつけるやうで、まだ三十五氏(みそこし)の方が好いと言つたら、例の、毛の薄い頭の地まで赤くして顎を撫でながら、ふふ、ふふ、ふふと笑つた。あの人物(ひと)が赤面するなぞとは、ちよつと

文字遣い

旧字旧仮名

初出

底本

  • 草魚
  • サイレン社
  • 1935(昭和10)年7月12日