一 むかし陸奥国(むつのくに)に、一人(ひとり)のりょうしがありました。毎日(まいにち)犬(いぬ)を連(つ)れて山の中に入(はい)って、猪(いのしし)や鹿(しか)を追(お)い出(だ)しては、犬(いぬ)にかませて捕(と)って来(き)て、その皮(かわ)をはいだり、肉(にく)を切(き)って売(う)ったりして、朝晩(あさばん)の暮(く)らしを立(た)てていました。 ある日りょうしはいつもの