一 これも大国主命(おおくにぬしのみこと)が、八千矛(やちほこ)をつえについて、国々(くにぐに)をめぐって歩(ある)いておいでになる時(とき)のことでした。ある時(とき)摂津国(せっつのくに)の難波(なにわ)の津(つ)までおいでになりますと、見慣(みな)れない神(かみ)さまが、海(うみ)を渡(わた)って向(む)こうからやって来(き)ました。命(みこと)が、 「あなたはだれです。」 とお聞(き)き