きょうかとのいっせき
鏡花との一夕

冒頭文

他人にはないことか知らん。——私には、あんまり其があつて、あり過ぎて困つた癖だと、始中終それを気にして来た。聞いては見ぬが、大勢の中には、きつと同じ習慣を持つて居ながら、よく〳〵の場合の外、其に出くはさずじまひになる人が、可なりの人数はあるはずだと思ふ。 歩き睡りと言ふ、あれである。気をつけて居ると、大通りなどでも、どうかすると、ずつと道ばたに寄つて、こくり〳〵と頭をふらつかし乍ら行く子どもなど

文字遣い

新字旧仮名

初出

底本

  • 折口信夫全集 32
  • 中央公論社
  • 1998(平成10)年1月20日