ごくちゅうへのてがみ 11 せんきゅうひゃくよんじゅうよねん(しょうわじゅうくねん)
獄中への手紙 11 一九四四年(昭和十九年)

冒頭文

一月二日 巣鴨拘置所の顕治宛 駒込林町より(封書)   初春景物 笹の根に霜の柱をきらめかせ  うらら冬日は空にあまねし こういう奇妙なものをお目にかけます。うたよりも封筒をさしあげたいからよ。[自注1]かいた手紙は厚すぎて入らず。 二日 [自注1]封筒をさしあげたいからよ。——この手紙は日本風の巻紙に毛筆でぱらりと書かれている。歌の行を縫って検閲の

文字遣い

新字新仮名

初出

底本

  • 宮本百合子全集 第二十二巻
  • 新日本出版社
  • 1981(昭和56)年1月20日