ごくちゅうへのてがみ 10 せんきゅうひゃくよんじゅうさんねん(しょうわじゅうはちねん)
獄中への手紙 10 一九四三年(昭和十八年)

冒頭文

一月三日 豊島区西巣鴨一ノ三二七七巣鴨拘置所の宮本顕治宛 本郷区林町二十一より(代筆 牧野虎雄筆「春の富士」の絵はがき) 明けましておめでとう。そちらはいかがな正月でしょう。こちらは兎も角ヤス子が命拾いをしたので、どうやらお芽出度い春らしい三※[#濁点付き小書き片仮名カ、7-4]日です。国男さんが風邪をひき、その上目を悪くしてお雑煮を食べられません。太郎は十になったから頭を丸い三分刈りにした

文字遣い

新字新仮名

初出

底本

  • 宮本百合子全集 第二十二巻
  • 新日本出版社
  • 1981(昭和56)年1月20日