ごくちゅうへのてがみ 08 せんきゅうひゃくよんじゅういちねん(しょうわじゅうろくねん)
獄中への手紙 08 一九四一年(昭和十六年)

冒頭文

一月三日 巣鴨拘置所の顕治宛 目白より(封書) 一月三日  第一信 私たちの九年目の年がはじまります、おめでとう。割合寒さのゆるやかなお正月ね。あの羽織紐していらっしゃるのでしょう? 明日は、あの色によく調和する色のコートを着ておめにかかりに出かけます。 三十一日は吉例どおり、家で寿江子と三人で夕飯をたべそれから壺井さんのところへお恭ちゃんもつれて出かけました。壺井さんのところでは大きい

文字遣い

新字新仮名

初出

底本

  • 宮本百合子全集 第二十一巻
  • 新日本出版社
  • 1980(昭和54)年3月20日