ごくちゅうへのてがみ 06 せんきゅうひゃくさんじゅうきゅうねん(しょうわじゅうよねん)
獄中への手紙 06 一九三九年(昭和十四年)

冒頭文

一月一日 豊島区西巣鴨一ノ三二七七巣鴨拘置所の宮本顕治宛 四谷区西信濃町慶応義塾大学病院内い号の下より(封書) 一月一日  第一信。 あけましてお目出とう。今年もまたいい一年を暮しましょうね。 ずっと順調で熱もきのうきょうは朝五・九分位、夜六・八どまりの有様です。このようになおりかかって来ると傷口の大小が決定的に影響して、一寸足らずの傷であるありがた味がよくわかります。傷そのもの

文字遣い

新字新仮名

初出

底本

  • 宮本百合子全集 第二十巻
  • 新日本出版社
  • 1979(昭和54)年10月20日