おおおとこのはなし
巨男の話

冒頭文

巨男(おおおとこ)とお母さんの住んでいたところはここからたいへん遠くのある森の中でした。 巨男(おおおとこ)のお母さんはおそろしい魔女(まじょ)でした。ほら鷲(わし)のような高い鼻や、蛇(へび)のような鋭(するど)い眼(め)を持ったあのおそろしい魔女(まじょ)でした。 それはあるお月夜のことでしたよ。 魔女(まじょ)と巨男(おおおとこ)がねむりについたころ、だれか家の

文字遣い

新字新仮名

初出

底本

  • ごんぎつね 新美南吉童話作品集1
  • てのり文庫、大日本図書
  • 1988(昭和63)年7月8日