りこんについて
離婚について

冒頭文

結婚と離婚の問題から「家」の権威がとりのぞかれるようになって来ているということは、日本の社会の歴史にとって、実に大きい意味をもっている。「家」というものを、やかましくいう中国でも、婦人と「家」とのいきさつは、大分日本とはちがっていたように思える。中国でも昔から婦人は、娘、妻、母として「家」に従えて考えられているけれども、「家」につながれる重みの差別は日本ほど男と女との間にあって女にばかり過酷ではな

文字遣い

新字新仮名

初出

「女性の歴史」1948(昭和23)年4月

底本

  • 宮本百合子全集 第十五巻
  • 新日本出版社
  • 1980(昭和55)年5月20日