わたくしたちのけんせつ
私たちの建設

冒頭文

封建の世界 言葉に云いつくされないほどの犠牲を通して、日本に初めて、人民が自分の幸福の建設のために、自分達で判断し行動することの出来る時代が到達した。そして全人民の半数を占める日本の婦人も、過去の重い軛(くびき)から解放されて、明るい希望のある社会建設のために、これまでかくされていた自分たちの力を発揮することの出来る時代になって来た。それにつけても、今日私達が残念に思うことは、わたしたちが勇

文字遣い

新字新仮名

初出

「私たちの建設」実業之日本社、1946(昭和21)年4月

底本

  • 宮本百合子全集 第十五巻
  • 新日本出版社
  • 1980(昭和55)年5月20日