あいずのはた
合図の旗

冒頭文

日本の民主化と云うことは実に無限の意味と展望を持っている。 特に一つ社会の枠内で、これまで、より負担の多い、より忍従の生活を強いられて来た勤労大衆、婦人、青少年の生活は、社会が、封建的な桎梏から自由になって民主化するということで、本当に新しい内容の日々を、もたらされるようになるからである。 婦人問題、その問題を何とか解決してゆこうとする婦人運動。それは永年日本にも存在していた。

文字遣い

新字新仮名

初出

「婦人画報」1946(昭和21)年4月号

底本

  • 宮本百合子全集 第十五巻
  • 新日本出版社
  • 1980(昭和55)年5月20日