みえざるてき
見えざる敵

冒頭文

上海四馬路(シャンハイすまろ)の夜霧(よぎり)は濃(こ)い。 黄いろい街灯の下をゴソゴソ匍(は)うように歩いている二人連(ふたりづれ)の人影があった。 「——うむ、首領(かしら)この家(いえ)ですぜ。丁度(ちょうど)七つ目の地下窓(ちかそう)にあたりまさあ」 と、斜(なな)めに深い頬傷(ほおきず)のあるガッチリした男が、首領の袖(そで)をひっぱった。 「よし。じゃ入れ、

文字遣い

新字新仮名

初出

底本

  • 海野十三全集 第7巻 地球要塞
  • 三一書房
  • 1990(平成2)年4月30日