デカルトてつがくについて |
デカルト哲学について |
冒頭文
一 カント哲学以来、デカルト哲学は棄(す)てられた。独断的、形而上学的と考えられた。哲学は批評的であり、認識論的でなければならないと考えられている。真の実在とは如何(いか)なるものかを究明して、そこからすべての問題を考えるという如きことは顧みられなくなった。今日、人は実践ということを出立点と考える。実践と離れた実在というものはない。単に考えられたものは実在ではない。しかしまた真の実践は真の実
文字遣い
新字新仮名
初出
底本
- 西田幾多郎哲学論集Ⅲ 自覚について
- 岩波文庫、岩波書店
- 1989(平成元)年12月18日