おとこごころとはこうしたもの おんなのえらさとちがうえらさ
男心とはかうしたもの 女のえらさと違う偉さ

冒頭文

尊敬したい気持 結婚前は、男子に対する観察などいつても、甚だ漠然としたもので、寧ろこの時代には、男とも、女とも意識しなかつた位です。 それが結婚して、やうやく男子に対する自覚が出来、初めて男といふものが解つた時、私の感じたのは、男子といふものは事業慾が強くて、一般に利己主義なものだと思ひました。 然しかうした考へは、まだ充分に男子といふものが解つてゐない。つまり観察の一階

文字遣い

新字旧仮名

初出

底本

  • 日本の名随筆 別巻83 男心
  • 作品社
  • 1998(平成10)年1月25日