わかいむすめのりんり
若い娘の倫理

冒頭文

このごろの若い娘さんたちはどんな心持で、何を求めて暮しているだろう。そう自分の心にきいてみると、この答えはなかなか簡単なようで簡単でない。この頃の娘さんたちというひっくるめての表現は、いきなり極めて動的な感じでうって来て、娘さんたち自身にしろ内と外とから二六時ちゅう動いていて、しかもそこに何かの帰趨を見出して行こうとしている自分たちの心持、生きかたを、手際よくまとめて答えることは相当むずかしいので

文字遣い

新字新仮名

初出

「婦人公論」1940(昭和15)年8月号

底本

  • 宮本百合子全集 第十四巻
  • 新日本出版社
  • 1979(昭和54)年7月20日