「ははのひざのうえに」(しょうかいならびにたんぴょう)
「母の膝の上に」(紹介並短評)

冒頭文

結婚——妻としての生活を有する女性、又は母として家庭生活の必然を持つ女性と職業との関係は、理想に於て如何あるべきか。 現状はどうであるか、と云う問題は、私共女性にとって、更に直接な考慮を要求しています。 女性が自己の自覚したと同時に起った困難な心魂の訓練を要する問題です。 箇人とし自己の生活を拡張させて行きたい慾求。それは、十九世紀後に於るように、徒な男性に対する反抗

文字遣い

新字新仮名

初出

「八つの泉」災害救済婦人団、1923(大正12)年12月

底本

  • 宮本百合子全集 第十四巻
  • 新日本出版社
  • 1979(昭和54)年7月20日