とけいやしきのひみつ
時計屋敷の秘密

冒頭文

気味(きみ)のわるい名物 「時計屋敷はおっかねえところだから、お前たちいっちゃなんねえぞ」 「お父(と)うのいうとおりだ。時計屋敷へはいったがさいご、生きて二度とは出てこられねえぞ。おっかねえ化け物がいて、お前たちを頭からがりがりと、とってくうぞ」 「化け物ではねえ、幽霊だ」 「いや、化け物だということだよ」 お父(と)うとお母(か)あが、そこで化け物だ幽霊だと、口争いをはじめてしま

文字遣い

新字新仮名

初出

「東北小国民」1948(昭和23)年5月~10月、「AOBA」(「東北小国民」改題)1948(昭和23)年11月~12月

底本

  • 海野十三全集 第11巻 四次元漂流
  • 三一書房
  • 1988(昭和63)年12月15日